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2006年 05月 15日
からっと晴れ上がった、初夏には似つかわしくない秋を思わせる涼しい朝。8時からの大学全体の卒業式に間に合うように、7時15分に集合という、アメリカらしい早いスケジュール。黒いガウンをはおい、タッスル(角帽につける紐)のついた帽子かぶると気が引き締まる。卒業式という特別な通過儀礼のためのこの井手達は、自分を変身させ、厳かな気分にさせる。アメリカ人のクラスメートにガウンの後ろに下げる布のつけ方と、この布がschoolによって色が違うことを教わる。朝の涼しい空気の中、"Congratulations!!"とお互いの2年間の学校生活の成果をたたえ合い、写真を撮り合った。特別な時間をクラスメートと一緒に迎える、うれしい瞬間だ。
大勢の学生の家族や、他のSchoolの卒業生で埋まった大学合同の卒業式の会場、中庭(Quad)に入場して、着席する。真っ青な空。大理石の瀟洒な神学部の建物を朝日が照らす。中庭の大木の緑は濃く、エモリーの美しいキャンパスは、この日、一段と輝いて見えた。アイリッシュのパイプオルガンが、キリスト教の礼拝に沿った式典を彩る。大学合同の卒業式の後、ビジネススクールの卒業式が体育館で行われた。一人ひとり名前を呼ばれ、Deanから卒業証書をもらい、Mrs.Goizuetaと握手する。Global Macro Economyでお世話になったDr.Jeff Rosensweigと記念写真を撮り、晴れてMBAとなった。素晴らしい2年間だった。 #
by ann1003
| 2006-05-15 10:45
| 学校生活
2006年 05月 13日
日本帰国も間近に迫った。留学中、一度も日本に帰らなかったため、新札の導入など社会事情や流行の変化に多少、戸惑うのかもしれない。卒業式目前、クラスメートと食事等に行くことが多くなり、ここでの2年間を振り返り、今後の東京での生活を考える機会も多い。アトランタはビジネススクール通いに過ごし、2年間、様々なことを学んだ非常に思い入れのある都市だ。また、温暖な気候、豊かな自然、全般的に低い物価、多様な人種の存在する国際都市アトランタは、心身ともに快適で非常に生活のしやすい町。もう少し過ごしたいという気持ちは動かしがたい。
一方、2年間、外から見ていた日本はどう変化しているのだろう?日経平均はここ1年で11,000円から17,000円に急回復し、日本は好景気に見える。ただし、一般の人々が「生活しやすくなっているのか」はわからない。アトランタ生活が、非常に快適だったのは、東京には「生活を快適にする何か」が欠けてることの裏返しかもしれない。狭い住宅、高い物価、少ない自然。東京に住む人の、時間的なゆとり、精神的なゆとりも、十分あるとは言えないだろう。でも、人は東京に集まり、様々な仕事の機会、便利な交通網、刺激的な都市生活がある。アメリカの生活のしやすい地方都市で留学生活を送った後、新たな目で東京を見れば、悪い面ばかりでなく、良い面もきっと見つかると期待している。また、東京をもっと住みやすい都市にしていくために、できることをしていきたい。アトランタを離れる寂しさと、東京での新たな生活の再スタートへの期待が入り混じる今日この頃だ。 #
by ann1003
| 2006-05-13 10:57
| アトランタ暮らし
2006年 05月 07日
試験終了の翌日。空が白みだす6時台に家を出て、クラスメートとゴルフ場に向かう。通勤渋滞が既に始まっているハイウェイの反対車線を尻目に、車を南下させ、30分程で着くのは、いかにも南部らしいネーミングのCotton Fieldsというゴルフ場。
朝の日差しが、露を含んだ淡いグリーンのフェアウェイを照らし出す。心地よいブリーズを感じながら、ティーショットを放つ。ボールはフェアウェイを捕らえ、グリーン手前180ヤード程からのセカンドショット。打ち下ろしの深緑のグリーンに、フラッグと木々が影を落とす様は、一瞬息を飲み込むほど美しい光景だ。6番アイアンで打ったボールは、まっすぐな高い軌道を描きながらピン手前に落ちた。パットを放つと、水気を含んだ芝生を転がるグリーンは意外と速く、ボールはカップの横を過ぎる。だが、落ち着いて次のパットを転がすと、コツコツとボールがカップの中で跳ねる心地よい音が静寂に響く。鳥のさえずりを聞きながら、次のホールへ向かう足取りも軽い。 豊かな自然の中に作り出された、見事なゴルフ場の数々。日本とは桁違いの安価で楽しめるこの機会を、是非多くの人に体感してもらいたいと思う。 #
by ann1003
| 2006-05-07 07:29
| アトランタ暮らし
2006年 05月 02日
Global Macro Economyの試験が午前中に終了し、4回めの学期の終わりを迎えた。だが、今回の学期終了は特別。2年間のMBA生活の終わりでもある。いつものとおり、学期の終わりのレポートやプレゼンテーションの準備、試験対策に忙しい日々が少し続いたためか、MBA終了の実感があまりないのが、意外だ。
試験終了と同時に、前から約束していたクラスメートとランチに出かける。緑が深くなったバックヘッドの高級住宅街を横目に車をゆっくり進めると、チャタフチ川沿いの新興ビジネス街に出る。広い道路、深い木々の緑、川のせせらぎ、住宅街の芝生。こんな一角にIBMや携帯電話大手Cingularのオフィスがある。職住接近の豊かな自然の中での生活は、アメリカの地方中核都市アトランタならでは。クラスメートの多くが、卒業後もアトランタで就職するのも納得だ。この界隈のショッピングモールの一角にある雰囲気の良いJapanese Restaurant、Tomoに到着。ベジタリアンのクラスメートにも、ベジタリアンセットがあるのがありがたい。彼らも、この近辺およびレストランを非常に気に入ってくれた。 ランチセットの後は、まるでフレンチのような各種デザートを味わう。日本食はアジアの食でありながら、他のアジア料理に共通する「辛さ」が左程なく、淡白な味付けをベースに、微妙な味わいを重視する点で特異である。フレンチやイタリアンに親近感を覚える日本人の味覚は、アジアでありながら、アジア的でない。インド人のクラスメートによると、インドではメキシカンが人気があるという。経済の発展度合いと、人々が好む味覚には、微妙な相関関係があるのかもしれない。試験明けのマクロ経済の頭で食べるランチは、こんなことを思いつかせる。 #
by ann1003
| 2006-05-02 13:27
| 学校生活
2006年 04月 25日
このビジネススクールには、たくさんのインド人やインド系アメリカ人が教授として、学生として在籍する。テキサスや南カルフォルニア、フロリダやジョージアなどは、メキシコ等からのラテン系の人口が急増しているのだが、「ビジネススクール」で目立つのは、ラテン系ではなく、インド系なのだ。英語を母国語とし、数字にめっぽう強いことから、ビジネススクールの入学審査で重要なテスト、GMAT(英語と数学により、論理思考能力等を見るテスト)で満点近くの点を持つ学生がごろごろしている。彼らは、非常に熱心に勉強する。また、ファイナンス、マーケティング等に、大変成功した教授も多い。
インド人の数字の強さは、先天的な民族性と、国の教育方針両方あるようだが、経済成長が著しく、ビジネスでも中国と並び注目度の高い国、インドの文化はどういったものなのだろうか?Business Communicationのファイナルプレゼンテーションの題材として、我々のチームが選んだのが、インドだ。インドは、広大な国、様々な民族、言語が存在した多様な国ではあるが、ある一定の文化的な共通性を持っているようである。カースト制度の影響が残る、ハイラーキーな組織構造、年功序列制度に加え、コミュニティ重視、人間関係重視、慎重で時間のかかる意思決定などが、ビジネスカルチャーとして挙げられる。何と日本のビジネス文化と似ていることか! 文化的に似ていることに加え、日本が侵略した歴史もないためか、インド人は概して日本人に好意的な人が多い。民主主義の国、英語圏で、教育レベルも高く、若年労働者率も高いともなれば、これから成長する地域として、大変魅力的に感じることは、言うまでもない。インドは要注目の国だろう。 #
by ann1003
| 2006-04-25 06:42
| 学校生活
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